アメジストの指輪
大掃除のご褒美
「背が高くてカッコいいじゃん。もう最終便よ・・・決めなさい」姉からそういわれた。
背は確かに高い人。でも胴長で短足、おまけに顔は鬼瓦の様にいかつい渥美清風!
なんだかんだと文句良いながら婚約までこぎつけた。その年の暮れ。
鬼瓦の彼が岡山駅まで出て来るようにと言ってきた。郷里の讃岐まで帰る途中のデート
駅前の大きな商店街のアーケードの下を歩きながら、無口な彼の背中を見つめていた。
いきなり大きな時計屋さんに入った。二人には不釣合いの店だった。強引に座らされた
「予算は2万円、石は・・・アメジスト。それ下さい」聞かれたから答えた咄嗟の宝石の名前
店員さんは三つのアメジストを持ってきて・・・並べた。
私の誕生石は四大宝石の「サファイア」 アメジストは確か2月の石だったっけ。
でもこんな高級店で、田舎娘の口の端にのぼれる代物でない事は解かっていたような。
三つの中で一番高い、大きな、ムラサキの色濃いのを一個手にした。
「お客様、お目が高い。こうしてかざして見てごらん。中にバラが二輪咲いているでしょ」
なんや知らん。明るい店内の照明の中で珠の中にくもりがふたつ確認された・・・ような!
これがアメジストの高級さを現すんですよと奨められ買った。
「これ!婚約の印、今にもっと良いの買ってあげる」そういって渡してくれた。スゲェー☆
渥美清が裕次郎に見えた!!! 足は短いけどカッコ良い男に見えたよ^^♪
公務員の彼はボーナスを貰ったばかり。ホクホクの懐だったかも!でも、当時の月給は
3万円位だったのよ。男の人って思いきったことするのよね。大きな店で堂々と・・・ネッ!
翌年、私たちは結婚した。それから10年後・・・夫は亡くなりました。
その指輪を紛失した。あれから2~30個、たっくさん指輪買った(--;;) 一杯あるけど
あの指輪が一番高価なの!探した!さがした!この十数年!
忘れたことなど無かった。亡くなった「夫」が私に買ってくれた最初の「贈り物」
昨日大掃除をした。何年ぶりかの引き出しを整理した。埃にまみれたケースが何個か
その中からピカリと。紫色のアメジストが出てきた。ギヤァー!
車で走っていても、見つけると撮ります。
撮ってとって、撮りまくる。そのうちに・・・きっと!
沢山の中から、良いのって一枚ね^^;;
by kazumi1713 | 2008-05-25 08:10